お礼状の書き方とマナーを伝授しちゃいます。
秘書の仕事。それは社長のゴーストライターと言っても過言ではない。
【社会に出ると意外と出す頻度が高いお礼状】
会社では、お中元やお歳暮等の季節の贈り物、種々のお祝い品、ご祝儀、電報などが多数送られてくるうえ、他にも新規で訪問させて頂いた時や重要な得意先との商談後なんかにもお礼状を送ります。
学生さんでも、就活の面接を受けた後のお礼状は欠かせませんよね。
本来は社長が直筆でしたためるのが良いと思いますが、多忙な社長なので、なかなかゆっくり時間が取れないことも多いです。
そこで秘書が原稿を作ったり、代筆することが多々あり、秘書は社外のビジネス文書にも精通していなければなりません。
でもこれは一度習得すると一生使える技術なので、コツをつかんで短時間で礼儀正しいお礼状を作っちゃいましょう!
【きちんとしたお礼状はあなたの評価を上げてくれる】
皆さんも人から何かをしてもらった時にはお礼をしなくちゃ!と思いますよね。
今はスマホですぐに電話もできるし、メールも送れる。
会いに行く、お返しの品をお贈りする、お礼状を書く。
きちんと先方に感謝の気持ちが伝われば、どれでも構わないんです。
お礼は当日にお送りするのが原則です。遅くとも翌日です。
準備するのに時間がかからず、当日に返せて、メールほどカジュアルでない。
電話もなんだか緊張しちゃう。
そんな時に便利なのがお礼状です!
テンプレート化してしまえば、準備に時間もかからず簡単に作成できますよ。
バッチリ礼儀正しいお礼状をお返しできたら素敵だと思いませんか?
特に目上の方には効果抜群。
取引先や上司からのあなたに対する評価は一気に上がることでしょう。
【秘書流お礼状の書き方】
いざ書こうとすると意外と難しいお礼状。
何から手をつければ…?と思いますよね。
まず、便箋と封筒を用意します。
目上の人や改まった手紙を書く場合、便箋は白無地の縦書きを使用することがマナーです。紙質は和紙などシンプルだけど少し良いものを使うとぐっと印象が良くなります。ハガキは正式ではありませんので、あまり使わないようにしましょう。
字に自信のない方は、無理に筆記具を使って直筆で書く必要はありません。
今はパソコンのWordで代用することが多くなっていますので、どんどん使いましょう!
Wordなら縦書きや漢字変換も簡単にできてしまいます。
学生さんなら、きちんとパソコンが使えるというアピールにもなるかも知れませんよ。
では早速お礼状の成り立ちと具体的な内容をチェックしましょう。
■前文
⒈頭語
手紙の一番初めにくる「こんにちは」「ごめんください」等の挨拶で、末文の結語とセットで使います。
一番よく使うのは「拝啓+敬具」。これがスタンダードです。
秘書の場合、もう少し改まった場合は「謹啓+謹白」を使うことが多いです。
他にも急いでる感じを出したい時は「急敬」など。逆に「前略」はほとんど使ったことがありません。
⒉時候の挨拶
季節や天候に応じて、心情や季節感を現す言葉を頭語から1字あけて書き始めます。
秘書は一番この部分が好きです(笑)。
お礼状を出す月、季節、天候によって言葉が変わるので、日本語の美しさというか、風流だと感じますね。
少しだけ例を挙げておきます。
季語例:
1月 新春の候、寒風の候、厳寒の候
2月 立春の候、梅花の候、残雪の候
3月 春暖の候、萌芽の候、春分の候
4月 桜花の候、仲春の候、花冷えの候
5月 若葉の候、惜春の候、軽暑の候
6月 入梅の候、初夏の候、梅雨の候
7月 向暑の候、盛夏の候、酷暑の候
8月 残暑の候、納涼の候、晩夏の候
9月 初秋の候、秋晴の候、涼風の候
10月 仲秋の候、夜長の候、秋雨の候
11月 紅葉の候、晩秋の候、向寒の候
12月 師走の候、初冬の候、歳末の候
季節の挨拶は本当にたくさんの種類があって見ているだけでもすごく面白いです。
個人的には四季のどれかをいれた明るい感じの季語が好きです。
「季節の挨拶」とググれば見つかりますのでチェックしてみて下さいね。
個人的な手紙の場合は、自分で季語を作ってしまうのもいいかもしれません。
⒊安否を尋ねる挨拶
相手の健康や安否を気遣う言葉を入れます。
ビジネスの場合は、相手の会社が栄えていることを喜ぶ言葉にします。「貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。」など。
⒋感謝・お礼の言葉
ここでいうお礼は本文の内容のお礼ではなく、いつもお世話になっていることへの感謝です。「平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。」など。
ご無沙汰している事へのお詫びなどを付け加える場合もあります。
■主文
⒌起語
主文を始める時に使います。本文に入るための繋ぎと考えてください。
国語で習ったように、段落を一つ下げましょう。
秘書は「さて、」しか見たことがないです。
⒍本文
敬語、丁寧語、謙譲語の使い方や段落の使い方、漢字など、学生時代に培った知識をフル活用しましょう(笑)。
本文は何に対するお礼なのか、目的をはっきりさせた文章にします。
簡潔で分かりやすいこともポイントです。
例えばお中元やお歳暮などは「さて、この度はご丁重なる(お中元orお歳暮)の品をお贈りいただき、誠に有難うございました。」
他にも商談、新規訪問などは「さて、この度はお忙しい中、ご商談のお時間を頂戴し、誠に有難うございました。」となります。
■末文
⒎結びの挨拶
用件をとりまとめ、今後の健康や繁栄を祈る言葉を時候と絡めて書きます。
「貴社のますますのご発展をお祈り申し上げますとともに、今後いっそうのご交誼のほどをお願いいたしまして、略儀ながら書中をもって御礼申し上げます。」「酷暑のみぎり、皆様くれぐれもご自愛のほどお祈りいたします。」など。
⒏結語
頭語の対になる言葉です。手紙の末文にくる「さようなら」「それではまた」といった挨拶にあたるもので、「敬具」などがこれにあたります。
頭語によって結語が変わりますので、きちんと調べてから書くようにしましょう。
■後付け
⒐日付
縦書きの場合は漢数字で書きます。年号を含めた日付を書きますが、西暦は使わず和暦を使いましょう。
⒑署名
差出人の名前を書きます。会社名、役職名、氏名の順です。
基本的にWordなどを使ってお礼状を書くことが多いと思いますが、署名のうちの氏名だけは筆記具を使って直筆にするととても好感が持てます。字に自信のない方も、ここだけはぜひ直筆にしましょう。
万年筆や細い筆ペンなど、書きやすいもので構いません。
11.宛名
フルネームで、本文よりも大きめの文字で書きます。会社名、役職名、氏名の順です。
宛名には必ず敬称をつけ、連名にする場合は必ずそれぞれの名前に敬称を付けます。
個人宛の場合は「様」「殿」、会社宛の場合は「御中」となります。
そして氏名は必ず最低でも2回はチェックしてください。
相手の氏名を間違えるのはお礼状の中でも一番致命的なミスです。
秘書は昔に取引先の社長さまの氏名を間違ってえらいめにあったことがあります…(涙)
いかがでしたか?
お礼状ってかしこまった言葉が多いので、難しそうと思われがちですが、成り立ちはとってもシンプルですよね。
極端に言えば、本文さえアレンジすれば使い回しができるので、テンプレート化してひとつ持っておくと、仕事の効率がアップしますよ。
秘書はこの他にも社内文書、メールでの出欠連絡の代理、週報の記事の原稿作りなど、社長のゴーストライターとして絶賛活躍中です!笑